ミニチュアと呼ばれるものは食玩からドールハウスやプラモデルまで色々とあります。この記事では主に海外のミニチュアフィギュアを紹介します。
まず最初にミニチュアフィギュア(主に人物)とは何か、またどう言う目的から進化して来たかについて書いてみました。
ミニチュアフィギュアの歴史
その歴史は古く、最初は実戦の前の机上演習用の駒でした。陸戦も海戦も含めて今で言うボードゲームをイメージしていただければ解りやすいです。
実際に後述となりますがミニチュアフィギュアはアクチュアルウォーゲーム(実際の駒を使った)として今でもヨーロッパやアメリカで主流のゲームジャンルの駒でありコレクションモデルでもあります。
ウォーハンマーをイメージしてください。ルールに従って互いに駒や部隊を動かしてターン毎に戦闘を行います。
ミニチュアフィギュアもここから進化します。そしてもう一方は別の観賞用へと進化を遂げていきます。

別の進化系として鑑賞用のフィギュアも多数発売となり、その大きさも素材も色々と出ています。有名なところではイギリスのチャーチル元首相は熱心なフィギュアのコレクターでした。観賞用フィギュアのジャンルとしては下記の通りです。
- ヒストリカルフィギュア
- ファンタジーフィギュア
- SFフィギュア
- アニメや映画系フィギュア
ヒストリカルフィギュアとは
ヒストリカルとは歴史上の実在した兵士やキャラクターのことです。解りやすく例えるならナポレオンやその配下の将軍、兵士達。または関ヶ原の合戦では徳川家康と福島正則とその足軽達という関係です。昔は圧倒的にヒストリカルなフィギュアが多くありましたが、現在は架空のストーリーのフィギュアも豊富です。
ヒストリカルフィギュアは観賞用の完成品から製作用のキットまで種類は沢山あり、そのスケール(大きさ)も様々です。
- 15mmスケール
- 20mmスケール
- 28mmスケール
- 54mmスケール
- 90mmスケール
- 120mmスケール
- 1/6 スケール
上から3番目の15mmから28mmスケールまでが主にゲーム用の駒として使われます。

近年は28mmスケールが世界中で増えて来て観賞用(コレクター向け)としても人気があります。また、54mm以上は製作から塗装まで楽しむ方向けのキットになります。
プラスチック製からホワイトメタル製、レジンキャスト製と大きく分かれますが外国ではホワイトメタル製が主流です。
ファンタジーフィギュアとは
ファンタジーフィギュアとは架空の世界のキャラクターやその登場人物たちを指します。日本でも有名なのWarhammerでしょう。現在主流になりつつある40Kとは別のジャンルのファンタジーが解りやすいいでしょう。例えばオーク、ゴブリン、ケイオスという種族がいくつかあり、ゲーム用にその背景からルールまで詳細に作られていました。
SFフィギュアとは
SFフィギュアとはWarhammer40Kに代表される未来の架空のキャラクターのフィギュアです。色々なメーカーから色々な架空の未来のフィギュアがそのルールブックと共に発売されています。鑑賞用としても日本のメーカーや海外のメーカーから沢山発売になっています。

観賞用とゲーム用に分かれるミニチュア
観賞用のフィギュアの歴史は古く、海外では超メジャーなジャンルです。
近年の塗装技術は信じられないほどうまく、神業のフィギュアの塗装技術を持ったモデラーも多く存在します。
年に一度ユーローミリテールと言って腕自慢のモデラーが参加するコンテストは古くからあります。金賞者は口で表せない塗装技術の持ち主です。
このように観賞用のフィギュアはPinterstにも多く掲載されています。そのサイズは54mmから120mm、1/4のバストサイズ(首から上だけのフィギュア)まであります。
ここで忘れてはいけないのが1/6サイズです。1950年代に始まったGIJOEと呼ばれた30センチほどの大きさの人形です。着せ替え人形のバービーをイメージしてください。着せ替え人形でその精密さで一世を風靡しました。別名アクションマンや日本ではタカラトミーからコンバットマンとして男の子に人気商品でした。
その流れは現在も続いており香港のドラゴンモデルや海外のメーカーによってヒストリカルなものから映画のヒーローまでほとんどのものが手に入ります。
塗装済み完成品と未塗装組み立てキットのメーカー
海外ではコレクターも数多く存在するので完成品を発売しているメーカーもあります。ただジャンルは限られており、人気のナポレオン戦争がメジャーになります。サイズはコレクションをするには大きすぎず、小さすぎない54mmが多いです。

上記の写真はイギリスの54mmの未塗装フィギュアと完成品を販売しているArtigというメーカーです。フィギュアはホワイトメタル製です。価格は完成品が150€程と未塗装品が80€程です。(乗馬モデルは徒歩モデルの倍以上の価格です。)ホワイトメタルの製品としては当たり前の価格帯です。
高価なように思われますがヨーロッパのコレクターはコツコツと自分の軍隊を観賞用に集めます。大人の趣味です。

次もイギリスのトイソルジャーのメーカでKronprinz社の1/30スケールの塗装済みフィギュアです。外国では1/32のスケールが昔から主流でしたがこのメーカーは1/30です。60mmスケールです。
扱うジャンルは多くて古代ローマ時代から中世、ナポレオン時代に第1次大戦、第2次大戦、ベトナム戦争まで揃っています。
マニアックなのはスペイン市民戦争や1898 キューバという私には全然馴染みのないものまであります。
見ていただいてお分かりのように手作業での大量生産なので塗装の精度は気にしないレベルですが、塗装は苦手という方からは需要はあります。
また、コレクションをするのにそれなりの精度を求める方は54mmスケールのキットは沢山あるので選択範囲は多いです。安価にコレクションしたければソフトビニールの様な素地であればBOXセットでプラモデルのメーカから販売されています。(一体整形なので塗るだけです。)
観賞用キットのミニチュアのメーカー紹介
古くからある観賞用ヒストリカルフィギュアメーカーですがいま現在では無くなっているメーカーもありますが、新しくできたメーカも存在します。古くからあって現存するメーカーにスポットを当てて書いてみました。
54mmスケールフィギュア
このスケールは小さすぎず大きすぎず塗装もかなり詳細にできて、なおかつコレクティングしやすい大きさです。
私が40年くらい前に買ったのもこのサイズでした。今で言うと1/32と言うサイズです。忘れられないメーカーは「ヒストレックス」のプラキットです。もう今は絶版なのでしょうか?調べてみます。
この後にできたのが「ル・シミエ」と言うメーカーで主にフランス革命以降のナポレオンの将軍達を扱っていました。その後に同スケールで同じ原型師のブルーノ・レイボリッツさんが関与していた「メタルモデル」がこのスケールではメジャーメーカーになりました。</p<
ジャンルは「ル・シミエ」の後を継ぐようにフランス軍の諸兵科の一般兵士を売り出しました。

月日は流れてもいまだに54mmの投稿写真では「メタルモデル」のフィギュアは現役です。
ホワイトメタルで出来た製品は原型の型を作ってゴム型に流し込んで作るので生産数が増えると鋳型を作り直さなければならず、原型が大事になりますのでいつまで製品があるのか心配です。ある日突然に絶版になります。

75mm〜90mmスケールフィギュア
このスケールは本格的に塗装や詳細部まで作り込みたい人向けのスケールです。今でも世界中で一番メジャーなサイズです。
懐かしの有名メーカーは何と言っても「ポスト・ミリテール」と無くなった「アーモンド」でしょう。「ポスト・ミリテール」はナポレオン戦争に焦点を当て単体でもベースに凝らなくても見栄えのするビネット風のポーズをフィギュア自他に持たせていました。(直立ポーズだけではないと言う意味)
また、「アーモンド」はその出来の良さからマニアの間では必見のキットでした。

このスケールともなると塗装をすれば出来栄えも見応えもあります。問題はその重量です。
乗馬モデルですと軽く1kgは超えてしまいます。展示用の木製ベースを含めると2kg以上の作品になります。
単体で展示して楽しむにはピッタリですが、その分、塗装技術は相当必要になってきます。最初は54mmから始めるのが良いでしょう。

上記写真は10年以上前から筆者が注目していたPegaso Model社の福島正則の54mmの乗馬モデルです。
いつか塗装しようとコレクションしています。侍はほぼ塗装したことが無く参考資料集めをしている間に月日は流れてしまいました。
メタルフィギュアはその出来が素晴らしすぎると塗るのについつい躊躇してしまいます。75〜90mmではありません。ペガソつながりで掲載しました。
120mmスケールフィギュア
このサイズは今で言う1/16のことで、プラモデルの付属品で有名だった「バーリンデン」と言うメーカがメタルではなくレジンキャストモデルでシリーズ化しました。
ホワイトメタルではなくレジンキャストの製品は価格も少し安くフィギュアの普及に貢献しました。
また大型のフィギュアモデルになるとそのホワイトメタルの重量からモデル内に真鍮棒で補強しなくても簡単に歪まなくなりました。

バストモデルのフィギュア
最近でもっとも有名なのはYoung Miniaturers社です。
韓国の造形師のヤンさんが起こされたメーカーで素晴らしい出来です。ヤンさんの塗装技術も相まって作品は超絶です。ジャンルもヒストリカルからミリタリーまで揃い胸像(バストモデル)だけでなく70mmや90mmのフィギュアも発売されています。
アジアからこのジャンルの原型師の方が出てきたのを嬉しく思ったのは筆者だけでしょうか。

1/6スケールフィギュア
先に書いたようにこのスケールは今や実物と間違うほどの精度で出来上がっています。ジャンルで圧倒的に多いのは第2次世界大戦のドイツ軍です。連合軍のフィギュアより世界で一番人気なのはナチスドイツのコスチュームという点がなんとも皮肉です。

もう一つの人気商品は「サイドトイズ」に代表されるハリウッド映画、とりわけマーブルコミックの主人公です。あらゆるキャラクターが発売されており完成度は年々良くなりコレクター向けの高級商品です。
ゲーム用のミニチュアのメーカーの紹介
ゲーム用の代表的サイズの28mmから紹介します。
主に海外ではナポレオン時代、古代ローマ時代、中世ヨーロッパ時代、第2次世界大戦がメジャーです。特にヨーロッパではナポレオン戦争、アメリカでは南北戦争が盛んにゲームされています。いわばミニチュアウォーゲームです。
お断りをしておきますが、ウォーハンマーは代表的なミニチュアゲームのフィギュアですが別カテゴリーに掲載している為に割愛しています。
余談ですが、当初はエルフや人間は28mmスケールでしたが、徐々に大きくなってきています。現在は30mmを超えている大きさです。
この醍醐味はシミレーション・ウォーゲームと違い、ミニチュアを使用することによっての臨場感の違いです。
私も若い頃にどちらもハマりましたがミニチュアの迫力と自分で作って塗っての駒だけに思い入れがあり、戦力が減っていくのを駒として見れなかった記憶があります。
現在は昔と違って28mmが世界の主流になりつつあります。そのゲーム性も戦略級から戦術級になっています。
今や15mmフィギュアの戦略級のウォーゲームも影を潜めルールブックも新製品は無いようです。
また今はコンピューターのゲームも進化は激しく、「Total War」シリーズのようなミニキャラが動く戦略・戦術のゲームの登場でわざわざミニチュアを作って塗ってとめんどくさいことをしなくても臨場感を楽しめるのもアクチュアルゲームが廃れてきた原因の一つでは無いでしょうか。(余談ですが筆者も「Napoleon Total War」が発売になってミニチュアフィギュアの製作の頻度は下がりっぱなしです。)
perry minitureの28mmフィギュア
28mmフィギュアの大御所のperry minituresを最初に紹介します。
ペリー兄弟が運営する老舗メーカーで当初はホワイトメタルのフィギュアばかりでしたが、近年はインジェクション(プラモデル)にも力を入れゲームマニアには大変ありがたい存在になりました。
メタルキットは高価です。ゲーム用は数がいるので1体当たりの単価は非常に重要な点です。
その点、プラスチック製のキットは安く、また改造もしやすいです。<\p>
現在はペリーに続いてvictrix、warloard gameとインジェクションのメーカもあらゆるジャンルの製品を発売し、ゲーマにはありがたい時代となりました。


ペリーミニチュアが扱うフィギュアのジャンルは多種多様です。列記します。

流石の品揃えです。イギリスのメーカーなのでナポレオニックのメタルフィギュアの種類は群を抜いています。特に1815年のワーテルロー戦役のフランス軍、イギリス連合軍、プロシア軍の兵隊のバリエーションはメタルと最近のインジェクションキットによりほぼ全兵科を網羅しています。また、それ以外の戦役のフィギュアも今現在も開発中です。さすがは28mm界の大御所メーカーです。
https://minifigure.info/grand-army/
Victrixの28mmフィギュア
Victrixは28mmフィギュアの世界にインジェクションのキットの旋風を起こしたイギリスのメーカーです。ナポレオニックから始まって古代ローマ軍とその敵までモデル化しています。


Victrixのキットの特徴はインジェクションキットの分割が多く、1体のボディから複数のポーズが取れるように工夫がされています。
小さな28mmですが改造を少しだけ行いたいマニア向けと言えます。大半のメタルフィギュアと同じで少し頭が大きくて可愛い感じのフィギュアです。
Warloard gamesの28mmフィギュア
Warlord gamesはフィギュア業界では新しいメーカです。メーカーというよりミニチュア専門のショップです。
イギリスとアメリカにお店があります。グローバルに世界のミニチュアゲームマニアに新製品を発信しているトップメーカーです。サイトも充実しており色々なジャンルのゲームのフィギュアを販売し続けています。最近は第2次世界大戦の28mmゲームに力を入れています。


Warlord gamesはインジェクションキットの第2次大戦の戦術級ゲームの駒として1/56サイズ(28mmのことです)の戦闘車両もあります。日独伊から連合軍まで揃っています。

一番新しいゲームシステムとして「epic battle」シリーズとして南北戦争に続いてナポレオン戦争の「ワーテルロー」が加わりました。

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